オマリー氏に旭日中綬章:野茂氏来米、恩人を祝福

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ドジャー球場で伝達式

旭日中綬章の伝達式で、野茂英雄氏(左)から贈られた花束を抱えるピーター・オマリー氏(中央)。右は堀之内秀久総領事

旭日中綬章の伝達式で、野茂英雄氏(左)から贈られた花束を抱えるピーター・オマリー氏(中央)。右は堀之内秀久総領事

 今春の叙勲で、日米の文化交流促進および日本の野球界の発展に貢献した功績が認められ、旭日中綬章を受章した元ドジャース社長兼オーナーのピーター・オマリー氏に対する勲章伝達式が8日夜、試合前のドジャー球場のフィールドで催され、堀之内秀久総領事から勲章が授与された。式典には、ドジャースでメジャーデビューを果たした野茂英雄氏が、日本からお祝いに駆けつけ、恩人に花束を贈った。【永田 潤】

旭日中綬章のメダルを二世週祭ファースト・プリンセスのリンジー・スギモトさん(右)に掛けてもらうオマリー氏

旭日中綬章のメダルを二世週祭ファースト・プリンセスのリンジー・スギモトさん(右)に掛けてもらうオマリー氏

 あいさつに立ったオマリー氏は、総領事と日本政府に対し「祝賀セレモニーを開いてもらいありがたく思う」と謝意を表した。勲章を首に掛け「すばらしいドジャース球団の人々を代表して、この章を受け取った」と謙そんし、社長兼オーナー時代と変わらず、おごることはない。
 野球交流を振り返り「日本の野球界の助けになることができ満足している。生涯の友情を持つことができた」と喜び、その一例として「長嶋さん、王さんと家族ぐるみで付き合い、とても楽しかった」と紹介。「野球は私にとって、とてもよい日米の懸け橋になってくれた」と語った。
 野茂さんに向け「ヒデオ、ここまでよく来てくれてありがとう。君のドジャースへの貢献を忘れはしない。君はいつまでもドジャースのファミリーだ」と絆を確認した。ファンに対しては「ドジャースが、首位を維持してくれることを願っている」と、気配りを忘れなかった。
 式典は、毎年の恒例イベント、ジャパンナイトの中で行われた。日系社会を代表し、二世週祭からテリー・ハラ実行委員長と、同祭女王とコートがあいさつし、ロサンゼルス祭太鼓が力強い演奏を披露。君が代をソプラノ歌手の竹下圭子さんが独唱し、ハローキティが始球式を務め、オマリー氏の叙勲に花を添えた。
 式典後、記者会見が開かれ、オマリー、野茂両氏と総領事が臨んだ。総領事は「今夜は、われわれにとって特別なイベントだった。ドジャースから式典会場を借りることができ、ジャパンナイトの中で伝達式を開くことができた」と謝意を表した。オマリー氏の旭日中綬章について説明し「今春に受章し、勲位がとても高い。ここで伝達式を行うことができ、すばらしかった」と述べた。
 野茂氏は「オマリーさんが勲章をもらった時のニュースを聞いて、すごくうれしく思った」「長年、日本の野球に対して、すごく力を注いでもらった。日本に野球の文化が根付いていて、オマリーさんの力がなければ、今の日本の野球界の発展はなかったと思うので感謝している」
力を合わせ日米親善のために野球交流を促進したオマリー氏(左)と元監督のラソーダ氏(2008年、旭日小綬章)

力を合わせ日米親善のために野球交流を促進したオマリー氏(左)と元監督のラソーダ氏(2008年、旭日小綬章)

 野茂氏は、自身が大リーグで活躍できた理由を「ここにいるオマリーさんと、ドジャースの当時の監督を含めスタッフの人たちがサポートしてくれたおかげと本当に思っている。僕だけではなくその当時の人が、今回のオマリーさんのニュースを聞いて当時を思い出してほしい」
 約1年前にオマリー氏は、訪日した。その目的は、昨年に野球殿堂入りした野茂氏の表彰セレモニーに参列するためで「とても、とても幸せな時を持つことができた」と回想した。野茂氏との関係について「ヒデオとは、とても親密で、本当に強い絆で結ばれている」と強調。「すべてのオーナーと選手が、われわれのような関係にあるわけではない」と説明した。
 日本との交流の重要性をあらためて説き「日本に何度も行き、キャンプ地には日本のチームを迎え入れた。監督、コーチ、選手が語り合う姿を見て、日米交流をやって本当によかったと思った。50年間も日本と交流したことは、信じられない。とても楽しむことができ、感謝している」
 父親と約半世紀にわたり球団経営に携わったオマリー氏。日本球界との絆を深める交流事業も父子2代にわたって行った。父ウォルター氏は1966年、日本政府から勲三等瑞宝章を受章した。
オマリー氏の受章を祝し、大型スクリーンには長嶋茂雄氏のメッセージが披露された

オマリー氏の受章を祝し、大型スクリーンには長嶋茂雄氏のメッセージが披露された


 長嶋茂雄・元巨人監督と、王貞治ソフトバンク・球団会長のメッセージが大型スクリーンに映し出され、両氏は祝意と謝意を込めた。オマリーさんが行った日米の野球交流の写真も紹介された。オマリー氏は、感慨深げな表情を浮かべ、若き両氏の往時をしのんでいた。
 長嶋氏「本当にうれしい」
 ピーターさんには、昭和36年に初めて会いました。その時にジャイアンツが向こう(フロリダ州ベロビーチ)にキャンプに行きまして、ピーターさんが、約40日いたジャイアンツのチームを全部しっかりと、まとめてくれました。
 ピーターさんとは半世紀近くお会いしていまして、すばらしい章をもらって、本当にうれしいです。
 王氏「大恩人と思います」
 オマリーさん、受章おめでとうございます。オマリーさんと、われわれジャイアンツは、本当に長い間、強い絆で結ばれてました。本当にわれわれを親戚の者のように手をとり、足をとって、教えていただきました。
 そのオマリー家の熱い思いが、今の日米の関係そして、日本の野球のレベルを上げていたんだろうと思います。日本の野球にとっては、オマリーさんは、大恩人だと思っております。どうぞ、これからも元気で、野球の発展のために大いににがんばってほしいと思います。本当におめでとうございます。
【写真左】今春の叙勲で旭日中綬章を受章したピーター氏【同右】1966年に勲三等瑞宝章を受章した当時のウォルター氏

【写真左】今春の叙勲で旭日中綬章を受章したピーター氏【同右】1966年に勲三等瑞宝章を受章した当時のウォルター氏

場内アナウンスで紹介を受け、笑顔で手を振る(左から)二世週祭のテリー・ハラ委員長、トーリ・ニシナカーレオン女王とコート

場内アナウンスで紹介を受け、笑顔で手を振る(左から)二世週祭のテリー・ハラ委員長、トーリ・ニシナカーレオン女王とコート


力強い演奏を披露するロサンゼルス祭太鼓

力強い演奏を披露するロサンゼルス祭太鼓

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