敬老問題:「守る会」敬老に署名提出

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情報公開めぐる議論、いまだ平行線

「守る会」の入江健二氏(左端)から、これまでに集まった5412人分の署名を受け取る「敬老シニアヘルスケア」人事部のジーン金森氏。その右手前がチャールズ井川「守る会」代表、右奥が大石剛司引退者ホーム施設長(写真=マリオ・レイエス)

「守る会」の入江健二氏(左端)から、これまでに集まった5412人分の署名を受け取る「敬老シニアヘルスケア」人事部のジーン金森氏。その右手前がチャールズ井川「守る会」代表、右奥が大石剛司引退者ホーム施設長(写真=マリオ・レイエス)

 「敬老を守る会」(チャールズ井川代表)は18日の午前10時すぎ、これまでに集まった署名5412人分を「敬老シニアヘルスケア」に届け、敬老の担当者からはショーン三宅CEOから預かったという封筒を受け取った。これによると、敬老売却問題に関する情報が十分に伝えられてきたかという点で、両者の認識はいまだ大きな食い違いをみせている。【中西奈緒、モニエ中地美亜】

◎敬老へ署名の提出

 署名の提出はボイルハイツの敬老引退者ホームで行われた。「守る会」から入江健二氏、チャールズ井川氏、モー西田氏、フォード倉本氏、アレックス鴇田氏、デヴィッド佐藤氏が参加し、敬老側はショーン三宅氏の代理人として敬老人事部のジーン金森氏と敬老引退者ホーム施設長の大石剛司氏が対応した。
 この日、「守る会」が用意したのは手書きとインターネットの2つの方法で集められた5412人分の署名で、その目的は敬老側に財務管理記録、売却を進めるにいたった外部専門家による調査結果リポートの情報公開とその説明を求めること。さらには、売却完了後にパシフィカ社が運営する際、敬老の管理組織がどのような計画のもとで運営されるのかの説明を求めるもので、これには今の敬老スタッフの中で、誰が、どのような立場で残るかについての説明も含むものとなっている。
 州司法長官に向けて売却の延期と公聴会開催を要請する別の署名は、現在およそ8500人分が集まっており、そのうちの2712人分はすでに当局に提出されている。(10月22日付け新聞参照

◎ショーン三宅CEOからの手紙

 入江氏が代表して署名をジーン金森氏に渡すと、金森氏からショーン三宅CEOから預かったという手紙とCDを受け取った。
 手紙には「今日、署名が届けられるという知らせを受け取っています」と始まり、「すでに分かっていると思いますが、この売却の取引は何年も議論を重ね、パブリック・ミーティングを開いた後に始まりました。理事やスタッフはすべての居住者、その家族、スタッフ、そしてボランティアの人たちのためにミーティングを開き、この売却について話し合ってきました。コミュニティーのメンバーの人たちからの質問にも正直に答えてきたと思っています」と書かれており、情報をしっかりと公開してきたと強調している。そして、「今までの歴史を見れば州司法当局が簡単に許可を出さないことはあきらかです。当局のイバネス氏が最近、もう一度断言したように、徹底した審査プロセスを経てこの売却は承認されたのです。しかし、あなたのグループがこの売却に関してコミュニティーときちんとしたコミュニケーションがなされてないと何度もしつこく文句を言うことに失望しています」とし、州司法当局から「守る会」に5日付けで送られた手紙が添付された。
 また、その後、「書類の請求に関して、すべての書類のコピーをCDにして提供します。これらの書類は何カ月も前からすでに公開されているものです。これらは州司法当局から提供されているCDです。実際に、これらはあなたがたのホームページですでに読めるようになっています」と続き、最後に「私はあなたに敬老のコミュニティー・アドバイザリー・ボードのメンバーになるために応募してもらい、将来の敬老施設に関わってもらいたいと思っています。あなたの持つ居住者たちへの情熱は、当局が売却の条件として出した居住者たちに関する項目が売却後も確実に維持されることに使われるでしょう」と結ばれている。
 井川代表は「手紙の内容に目新しいことは何もなく、三宅氏は今までと同じことを繰り返し言っている。三宅氏本人は直接コミュニケーションをしないし、代理人も何も言わずに受け取るだけ。これはまさに彼が今までとってきたコミュニティーに対する不誠実さを象徴しているとも受け取れる」と話した。

◎敬老からのプレスリリース

 署名が提出されたあと、「敬老シニアヘルスケア」から、「守る会」からの情報提供の要求に答えたとするプレスリリースがメディアに向けて発信された。
 その内容は、「守る会」が受けとった三宅氏からの手紙の趣旨とおおむね同じ。しかし、「守る会」が要請した2つ目の要求、「売却完了後にパシフィカ社が運営する際、敬老の管理組織がどのような計画のもとで運営されるのかの説明。今の敬老スタッフの中で、誰が、どのような立場で残るのかについての説明」については、次のように返答をしている。
 『敬老の全ての従業員リストを渡すようにという要求に対して、敬老は従業員のプライバシーを守らなくてはならないですし、売却の条件として、すべての施設の従業員はそのまま残る予定であることを強調します。どうして「守る会」はスタッフの個人情報をもらう権利があると思っているのか分かりません』
 井川代表はこの点について「従業員のリストを渡すよう要求はしていない。敬老側は間違った解釈をしていると思う」と話している。

◎情報の信憑性(しんぴょうせい)への疑問

 「情報はコミュニティーに十分に伝えられたと」という敬老側だが、羅府新報の独自の調査によると、州当局に提出されて、公聴会が回避された理由ともなっている「62回のコミュニティー・ミーティング」の開催リストには、ボードメンバーのみに向けた会、日本からの訪問客への敬老ツアーなども含まれ、「公共の集会」といえるのかという疑問が残るものも多い。
 敬老内部のマネジャークラスのスタッフやその下で働くスタッフたちからもこのリストの信憑性を疑う声があり、多くのスタッフたちが、自分たちに対してすらも売却に関する結果の告知ばかりで、情報が事前にきちんと提起されずにきたことに不満を募らせている。
 関係者たちの話によると、ショーン三宅CEOは11月10日(火)に施設を回り、スタッフたちに「今回の売却について話を聞いているか?」と聞いて回ったという。
 あるスタッフは「三宅氏が部屋に入って来るなんてびっくりした」と話し、また別のスタッフは「三宅氏が各部署を回って、スタッフに話を聞いたところ、スタッフが売却の現状を理解していないことに驚いて慌てた様子でした。そして、スタッフにこの手紙をまわすよう指示を受けました」と。その手紙は、州司法当局がチャールズ井川氏に宛てた11月5日付けの手紙のコピーで、ミドルマネジャーといわれる立場のスタッフたちはそのコピーを各課のスタッフたちに渡すように指示されたのだという。
 今回の売却について、スタッフにさえ十分に説明がなされていない現状、そして、それぞれの声が表にはなかなか出てこないが、多くのスタッフが売却に反対している現状が徐々に明らかになってきている。

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