ねぶた、ハリウッドデビュー:レッドカーペットに堂々登場

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クリスマスパレード

ハリウッドパレードに初参加し、レッドカーペットを練り歩く中型ねぶた

ハリウッドパレードに初参加し、レッドカーペットを練り歩く中型ねぶた

 今夏の二世週祭のグランドパレードで大トリを務めた青森ねぶた「津軽海峡 義経渡海」(作・竹浪比呂央)が11月29日夜、日本伝統の祭りとして「ハリウッド・クリスマスパレード」に初参加した。レッドカーペットに堂々と登場し、約80分にわたり練り歩き、大きな声援と拍手を浴び、ハリウッドデビューを飾った。

3人が並んで叩いた大太鼓

3人が並んで叩いた大太鼓

 LAねぶた囃子保存会会長の豊島年昭さんによると、二世週祭終了直後、祭りの興奮が冷めやらぬ中、メンバーから「ねぶたを倉庫に保管しておくのはもったいない」と、ハリウッドパレード参加を望む声が出た。青森からの全面支援を受け、話はトントン拍子で決まったという。本番へ向けて稽古を重ね、豊島さんは「花の都ハリウッドで青森の伝統文化を見せて、『アンコール』という声が出るように頑張ろう」と、士気を鼓舞してきた。
 パレード参加の実現は、二世週祭での運行でも多大な支援を行った青森の貢献が大きい。三菱系の「菱友会」が中心となり、資金のみならず、有志のメンバーを送ることを約束するなど、物心両面で支えた。
 南加青森県人会会長の奈良佳緒里さんは、帰国した際に東京・中野で過去4回、ねぶた祭を催す3団体「首都圏青森ねぶた囃子会」、「東京ねぶた連合会」、「二木会」に連絡し、合同練習を視察。代表の山田聡さんに、パレードへの参加を呼びかけた。山田さんによると、奈良さんから「青森文化のねぶたの素晴らしさを伝えて、ロサンゼルスの人々を喜ばせてもらいたい」という熱意に心を打たれたといい、囃子とハネトを合わせた計16人が、同夜だけのために来米した。
ねぶたを背に元気よく跳ねるハネト

ねぶたを背に元気よく跳ねるハネト

 当日は、分解したフロートと各台車、太鼓、音響機材などをトラック7台に積み、現地で組み立てた。ちょうちん持ち、囃子、ハネト、ボランティア総勢173人のスタッフが、小東京のねぶた基地に集結、バス3台に乗り込み、ハリウッドを目指した。
 華やかなパレードには、85の個人と団体が参加。起点のチャイニーズ・シアター前からレッドカーペットが敷かれ、特設スタンドを人がぎっしりと埋め、セレブリティーやマーチングバンド、バルーンキャラクターなどの登場を待った。
 ねぶたは25番目に、いざ出陣。眩い光を放ちながら、厳つい風貌の勇姿を表わした。大きな体を揺らしながらゆっくりと進み、テレビの実況席やスタンドに向きを変え、立ち止まる。睨みを利かせながら、頭を前後に2、3度振るお辞儀をすると、歓声が上がった。
 囃子は太鼓と笛、鉦が息をぴったりと合わせて軽快に節を奏で、「ラッセラー」と叫び声を上げてハネトは元気よく跳ね、主役のねぶたを盛り立てた。ねぶたは、大きな交差点で静止すると、2、3度回るパフォーマンスで10万人を超す観衆を魅了。ハリウッドの目抜き通りを約3・2マイル練り歩き、大きなインパクトを与えた。
 バーバンクから家族5人で来たリセト・カストロさんは、ねぶたを初めて目にし「巨大で、とても光輝いて美しかった。寒い中で待ち続けた見る人みんなをハッピーにして、エナジーを与えてくれた」と話した。「ねぶたの派手な色使いが好きで、ダンサー(ハネト)の衣装も派手で気に入った。バン、バン、バンという大きな音の太鼓、高い音を響かせた笛の演奏は、耳に心地よかった」と喜んだ。
軽快な笛の演奏を披露し、レッドカーペットを歩く囃子

軽快な笛の演奏を披露し、レッドカーペットを歩く囃子

 ジュリー・キャンベルさんは、インディアナ州のウィルミントン高校に通う娘がマーチングバンドの一員として、同パレードに出るため家族揃って初めて参加した。ねぶたについて「初めて見たけど、観衆に襲い掛かりそうな勢いで向かってくる凄みを感じ驚いた。日本の伝統をアメリカで伝える情熱を感じた」と述べた。
 「10年前からこのパレードに参加したいと思っていた」と語る、菱友会のねぶた副実行委員長の佐々木聡さんは、念願を叶え「最高で、来年もやりたい気分になった。ハリウッドという大きな舞台で、青森のねぶたに対する思いと、チャレンジ精神を伝えることができて光栄」と胸を張った。「ねぶたを揺らしたり、回したりし喜んでもらい、今夜見て感動した人が、本場のねぶたを見に青森に来てほしい」と願った。
力強い太鼓演奏を披露する山田聡さん

力強い太鼓演奏を披露する山田聡さん

 中野ねぶた祭の山田さんは「アメリカ人はノリがよく、楽しく、参加してよかった。観客との距離が近く、(観客が一体となる)昔懐かしい青森のねぶた祭を思い出した」と話した。
 県人会会長の奈良さんは、囃子の中心メンバーだが今回は参加せずに沿道から見守り「想像したよりもすごかった。お客さんの笑顔を見て感動し、胸が熱くなった。皆が頑張った『気』が見る人に伝わった感じがしてよかった」と喜んだ。
 ねぶた囃子会長の豊島さんは「拍手がすごく、青森の伝統を伝えてよかったという気持ちになった。レッドカーペットの柔らかく、温かい感触がまだ残っている」と、興奮気味に話した。来年の同パレード参加について「目指したい」と希望し、協力を求めるという。【永田潤、写真も】
ワックス・ミュージアム前の見物人に、「お辞儀」を披露するねぶた

ワックス・ミュージアム前の見物人に、「お辞儀」を披露するねぶた


チャイニーズ・シアター前に敷かれたレッドカーペットの上で舞うハネト

チャイニーズ・シアター前に敷かれたレッドカーペットの上で舞うハネト

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