南海トラフ巨大地震

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 まさかと驚いた1995年の阪神淡路大震災や、繰り返される映像に胸のつぶれる思いがした5年前の東北大震災に続き、地震とは縁がないとばかり思っていた熊本で大地震が起きた今年。
 四国・高知へ帰省すると、夫の実家の玄関先には、津波時の避難荷物がまとめられている。近い将来起きるとみられる南海トラフ巨大地震に備えてのことだ。
 南海トラフというのは、四国の南の海底にある水深4000メートル級の深い溝(トラフ)をいうらしい。そしてこの溝はただの窪みではなく、海洋プレートであるフィリピン海プレートが大陸プレートと衝突してその下に沈み込んでいる、沈み込み帯だという。つまり、大陸プレートが徐々に海洋プレートに引きずり込まれ、その歪(ひずみ)が溜まり過ぎると地震が起きるということのようなのだ。
 という訳で、南海トラフを震源とする地震は既にこれまでに何度も起きている。
 一番近いのは、1946年の昭和南海地震。実家では壁の大時計が落ち、義母は生まれたばかりの息子を抱えて竹藪に逃げ込んで夜を明かしたという。浦戸湾の奥に位置する高知市街は浸水。この地震は、高知・和歌山・徳島3県に甚大な被害を与え、死者も1500人近くに上った。
 その前は、1854年に安政南海地震が、1707年には宝永の南海地震が、記録されている。特に300年前の宝永の地震では津波の被害が大きかったと伝えられ、夫の実家でもいっさいが流されたようで、現存の家も墓もそれ以降のものだ。
 100年から200年毎に繰り返されてきた南海地震。これが次回は東北大震災のような大津波を伴えば、海岸線から1キロ足らず、海抜5メートルという場所に建つ実家はひとたまりもないだろう。せめて90歳を過ぎた両親存命中は起きないことを願うばかりだが、こればかりはどうしようもない。
 『南海地震ひとくちメモ』というのは、NHK高知放送局がテレビで毎日のように流している番組。高知にいる限り、地震や津波を意識せずに暮らすことは出来ないようなのだ。
 来年は日本にとっても世界にとっても、極力自然災害のない一年であることを祈っている。【楠瀬明子】

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