おせち料理に思う

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 夫の郷里、高知で迎えた新年。正月料理は高知流に、鯖の姿ずしなどを大皿に盛りつけた「皿鉢料理」だが、少しながらおせちも準備した。
 海老、昆布、豆などおせち料理の食材にはそれぞれ、「腰曲がるまでの長寿」「喜ぶ」「まめに暮らす」など意味づけがある。数の子はもちろん子宝への願いが込められているのだが、「近頃はこの辺りに子供が少なくなって…」と義父。
 確かに。私の両親はそれぞれ6人兄弟で、戦後生まれの私の世代には3人兄弟が多かった。それが今では、日本でもアメリカでももっと少なくなり、周りを見る限り子供は一人か二人が多い。高齢化の進む土地ではますます子供を見なくなるはずだ。
 けれどそれ以上に見える変化は、以前と比べ結婚の遅くなったことだ。理由はいろいろあるのだろうが、女性の社会進出が進み、まずは仕事に力を注ぎ結婚はそれからと考える女性が多くなったこともその一つかと思う。
 昔と違い仲人や見合いがほぼ姿を消した今の日本では、配偶者探しはかなり深刻とみえる。先日は、国家公務員共済組合から『親御様向け結婚相談会』の案内が送られて来て驚いた。何人もの親同士が顔を合わせ、自分の子供にふさわしい配偶者候補を見つける会らしい。
 私の学生時代には「コンパ」と称する飲み会・親睦会があったが、それが今では男女を集団で引き合わせる合同コンパ、つまり「合コン」として交際相手探しの重要な役割を担っているようなのだ。今回送られてきた案内は、その合コン親むけ版ということになる。
 参加費用は、親1人で1万5千円。これとは別に、子を連れて親が参加する会も催されるとか。いつまでも結婚しない息子や娘にやきもきしている親たちの姿が目に浮かぶようだ。
 しかしアメリカでは、子の幸せを願う思いは同じでも、結婚についてここまでの心配・干渉はないように思う。鏡餅の上に橙(だいだい)を置き「家が代々続く」ことを願う日本の風土と関係があるのかどうかは分からないが。
 おせち料理を前にいろいろ感じながら明けたトリ年。どうぞこの一年が結婚・出産など慶事に満ちた穏やかなものでありますように。【楠瀬明子】

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