笑いに勝る良薬なし

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 「幸福だから笑うのではない。笑うから幸福なのだ」。20世紀初頭に活躍したフランスの哲学者アランは著書「幸福論」の中でこんな言葉をつづっている。みなさん今年の初笑いは思いきり笑えましたか? 笑うとその場の空気が明るくなるだけでなく、自然と幸福な気持ちになるもの。実際、笑いには驚くべき威力が潜んでいるようだ。
 新年会シーズンを迎え、日系社会の人々とお会いする機会が増えてきた。日系社会には80代、90代になっても元気に活動する人々の姿が目立つ。
 以前取材先でお会いした90歳を超える男性に長寿の秘訣を聞くと「毎日よく笑い、楽しく過ごすことが大事」と話してくれた。彼は第442連隊の退役軍人で、戦中、戦後とさまざまな苦労を経験して生きてきた。日系2世の中には、戦中を戦時転住所で過ごし、戦後は差別と戦いながら逆境を乗り越え生きてきた人も多い。そんな彼らの言葉には重みがある。温かい微笑を浮かべた彼の言葉は深く印象に残ったと同時に、「よく笑うのがいいとは意外とシンプルだな」と思った。
 最近では「笑い」の健康効果に関する研究も盛んに行われており、笑いには高齢者の記憶力に効果があると発表されている。南カリフォルニアにあるロマリンダ大学では、高齢者を2つのグループに分け、一方にはお笑い番組を20分見てもらい、もう一方には見せないという実験を行った。
 その後の記憶力テストでは、お笑い番組を見たグループの方が結果が良く、ストレスホルモンの「コルチゾール」の数値が著しく低かった。コルチゾールは大量に分泌されると記憶を司る脳の海馬を萎縮させ、記憶力を低下させることが近年の研究で分かっている。結果、笑いは記憶力だけでなくストレス軽減にも一役買っていることが分かったという。
 笑うことにお金はかからないし、「笑いに勝る良薬なし」、「一笑一若(一度笑えばひとつ若返る)」という言葉もあるように、健康にも好影響となると、もう毎日笑わずにはいられない。これから続く2017年も、読者のみなさまにとって幸福で笑いに満ちた1年になりますように。【吉田純子】

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