アートディストリクト:日系住人ら立ち退き問題に直面

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1980年代から日系人のアーティストたちが多く住む800 Traction Avenueの建物。現在、住人は立ち退き問題に直面している


 小東京に隣接するアートディストリクト地区に1980年代から日系人のアーティストが多く居住する建物がある。800 Traction Avenueにあるこの建物が、ニューヨークに拠点を置く不動産投資会社「DLJReal Estate Capital Partners」にこのほど売却され、住人は今、立ち退きを強いられている。7月29日には住人や活動家らが建物前に集結し、立ち退き反対を訴えた。【吉田純子、写真も】

 建物はオフィスやコンド、ブティックホテルなどへのリノベーションを手掛けるDLJ社に2千万ドルで売却された。
 この建物はLA市庁舎やユニオン駅、LA五輪の舞台ともなったロサンゼルス・メモリアル・コロシアムを手掛けた建築家ジョン・パーキンソン氏が設計し、1918年に建設された。5階建ての建物の隣には2階建てのレンガ造りの建物(810 Traction Avenue)が併設され、総戸数15戸、総床面積は6万5500平方フィートある。
 当初はベンハー・コーヒーで知られるコーヒー製造会社「Joannes Brothers Co.」社が所有していたが、54年に「Los Angeles Desk Co」が同物件を購入。その後も商業用として使用されてきた。1978年にはロサンゼルスで兄弟で不動産業を営む「Rollins & Rollins」社が購入し、80年代になるとアーティストたちの居住スペースとして活用されるようになった。今も住人の多くが日系人のアーティストだ。
 現在アートディストリクトでは再開発が進んでおり、老朽化したビルや倉庫の改修工事が各所で行われ、ギャラリーやロフト、オフィス、カフェやレストランに生まれ変わっている。近年、LAの中でも人気のエリアとして知られ、休日には多くの人で賑わう。
 建物の道を挟んでとなりには東京・銀座にも進出したパイ専門店「The Pie Hole」があるほか、付近にはオレゴン州ポートランド発祥の人気アイスクリーム店「Salt & Straw」も進出し店舗をかまえている。
 DLJ社はLAでもいくつかの物件を所有しており、ハリウッド・ブルバードとバイン・ストリートの交差点にあるタフト・ビルディングやベニスにあるThornton Loftsも同社が所有している。同社が今後どのように建物を活用するのかはこれまでのところ分かっていない。


立ち退き問題をめぐり7月29日に建物前に集結し反対を訴える住人

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