スポーツ野次馬

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 スポーツ面を広げて、アッと声が出た。「錦織、右手首腱断烈」最低3カ月の療養が必要で、「今季残り全試合を欠場」と伝えていた。アーア、自己最高4位を記録した世界ランクだが、一からの出直しとは、厳しい状況だ。
 松山英樹が米男子ゴルフ・ブリジストン招待で逆転優勝を果した時は、ヨッシャと拳をにぎった。「全盛期のウッヅをほうふつ」といわれ、米ツアー公式サイトに優勝候補の一番手に挙げられれば、期待は膨らむ。が、後半に失速し、メジャー初制覇は逃した。よっぽど悔しかったのだろう。グリーンにうずくまり、しばらく動けなかった。
 7月末にテキサス・レンジャーズからドジャースに移籍したダルビッシュが地元紙に全面広告を出し、ファンに感謝の気持ちを伝えたという。なんてダイナミックなんだ。その中で「最後の登板のマーリンズ戦で自己ワーストの10失点に最も悔いが残る」と残念な胸中もちゃんと伝えていて、「スマート」だと感心した。が、それだけで終らなかった。今度はレンジャーズが読売新聞に全面広告を出したというから、スゴイ。
 「ダルビッシュ有さんへ、
 2012年の入団以来、あなたが成し遂げた数々の実績と、チームへの献身的な働きに心から感謝します。超一流のパフォーマンスをありがとう」と新天地に旅立ったエースに日本語で感謝と労いの言葉を贈っている。何か、温かいものが込み上げる。
 また、夏の高校野球で広陵の中村奨成選手が、32年間破られなかった清原の持つ大会記録を更新する6号本塁打を放ったと聞くと、清原ってすごかったんだ! と今さら感じ入ったり、われながら、随分の野次馬かもしれないと思う。ゲームに関係ないエピソードに一喜一憂してしまうのだ。
 スポーツ選手は大変だとつくづく思う。毎日が絶好調ということはあり得ないし、アクシデントはつきものだ。神様が味方することもあれば、イジワルすることもある。それに、人間の体力には限界もある。
 テニスの先輩、松岡修造が今の錦織にかける言葉を、と問われ「一番恐い敵は自分だ!」と言っていた。「自分との闘い」ということだろうか。スポーツに限らず、すべてはそうなのかもしれない。【中島千絵】

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