「24時間キャンプ」の成果は

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 夏休みに入り、6年生を終えた上の娘が友達の家で「お泊まり会」があるというので行かせた。室内に泊まる普段とは違い、裏庭にテントを張る「24時間キャンプ」なのだという。丸1日屋外のテントで過ごし、家に入るのはトイレの時だけ。食事も持ち物もそれぞれ分担するなど夏休みに入る前から準備を整えていたようだ。
 約束の午前10時半に全員が揃うや否や、イベントのホストである娘の友人は親たちの談笑するすぐ横に立ち、携帯を片手にカウントダウンを始めた。「あと1分でお引き取りください」仕方なく母親たちは別れのキス&ハグをして立ち去った。
 「やりとりは携帯だけ。何をしてるかそのうち送られてくると思うわ」とホストの親が言ったとおり、数時間して写真が数枚届いた。12人用の巨大テントの一室にテーブルを置き、飲み物食べ物、コップや紙皿をきちんと配置している。横に置かれたアイスボックスには3食分の食材も入っているようだ。
 「タブレット三昧か」との親の良からぬ想像は外れ、昔ながらのボードゲームを囲んで寝っ転がる姿や、マシュマロを火であぶり、グラハムクッキーで挟んでサモアを作っている場面、裏山の木から下がるロープでターザンごっこするなど、一般的なキャンプ風景が並ぶ。
 ゲーム機器やタブレット、携帯電話の使用で子どもたちの屋外での活動時間が減少しつつある現代。仲間内で自らこのような計画を立て、準備し実行したことには子供たちの成長がみて取れ、私も他の親同様、褒め言葉を返事として送った。
 ところが丸一日たって迎えに行き、車内に入っての第一声に肩を落とした。「ミアも電話買ってもらったんだって!」娘以外で携帯電話を持たない唯一の友人のことだ。「ミアよ、お前もか」と恨み節が脳裏を流れる中、定期的に繰り返される「なぜうちでは子どもの電話やゲーム機器携帯が許されていないか」論争が始まった。
 論破される日が近いのもわかっている。バランスの取れた現代人に育てるためには、親の方も思考転換が必要のようだ。【麻生美重】

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