全米15州で、ファストフード店のマクドナルドで販売しているサラダを食べた395人が、寄生虫がうつることによってかかる「サイクロスポーラ症」に感染したとみて、食品医薬品局(FDA)は注意を呼び掛けている。【吉田純子】

 農務省(USDA)によると、感染者は今年5月から報告されており、検査の結果、これまでに全米15州で395人の感染が確認された。少なくともうち16人が入院した。
 サイクロスポーラは、小さな寄生生物で、サイクロスポーラが寄生した水や食品を摂取した後に感染する。疾病対策センター(CDC)によると、小腸の粘膜の細胞に寄生し、下痢や嘔吐、発熱、食欲不振、腹痛、体重減少などの症状を引き起こす。こうした症状は通常2、3日でおさまるが、なかには数カ月続く人もおり、抗生物質を使用して治療が行われるという。
 これまでにコネティカット、フロリダ、アイオワ、イリノイ、インディアナ、ケンタッキー、ミシガン、ミネソタ、モンタナ、ネブラスカ、オハイオ、サウスダコタ、テネシー、バージニア、ウィスコンシンの15州で感染者が報告されている。いずれもマクドナルドのサラダを食べた後に症状が表れているという。
 FDAによると、マクドナルドが使用していたパック詰めのロメインレタスのサラダミックス「フレッシュ・エキスプレス・サラダ・ミックス」と人参を検査したところ、サイクロスポーラの陽性反応が確認されたという。
 サラダミックスはカリフォルニア州サリナスにあるサラダミックス製造会社フレッシュ・エキスプレス社のサラダを使用しており、中西部のマクドナルドの店舗に卸していたという。
 同社のサラダミックスはほかにトレーダージョーズやウォルグリーン、クローガーなどのスーパーマーケットでも扱われていたが、同社によると現在、商品は自主回収されている。
 CDCによると、これまでに感染源として考えられるのはマクドナルドで取り扱われていたサラダで、現在FDAがどの食材によるものなのか特定を急いでいる。

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