防災の日あたり

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 義兄が倒れた、という知らせを受けて航空券を手配している間に、死亡の知らせが届いた。その間、21時間。
 着いた日本は台風21号が関西地方に猛威を振るい、大きな爪痕を残していた。納棺の日、移動中に突然の大雨と突風に見舞われたが、東京は大丈夫だった。北海道方面に抜けると聞いて、親戚、知人のところは大丈夫かと心配して連絡したら、震度を観測できないくらいの地震が襲っていた。停電が大変というのでテレビをつけると、信じられない光景を目にした。
 震源地からそう遠くない苫小牧の知人は、揺れはすごかったけど、物一つ落ちなかった。この辺りは、何の被害もなかったけど停電が困る、と言っていた。火山灰土とか、地形によって、被害の度合いが異なっている。
 突然の義兄の訃報に絶句、残された義姉のことや、夫の申請中のパスポートを待つ苛立たしさ。葬儀に間に合って来れるように! 気がかりがいっぱいあったのに、台風の被害状況をニュースで見るにつけ心配が拡散していった。関西、小豆島の知人たちは大きな被害はなく一安心と思ったのも束の間、これまでにない揺れを観測した北海道胆振東部地震。義兄に集中していた気持ちが散漫になるほどの大地震。現場から遺体が運び出される場面を目にすると、義兄の納棺と重なって辛くなった。
 弟である夫が来れると連絡してきたときは、義姉とただただ喜び、ほっとした。納棺、通夜と告別式は葬儀費用を積み立てていたところが契約している斎場で執り行った。初めて代行のお坊さんにもあった。何件も同時に行う会場は、良すぎる段取り、結婚式と見まがう賑やかさがあって、戸惑いを覚えた。悲しみを紛らわすのにはいいのか、寂しさ悲しみにじっくり浸る間がないのもどうかと思ったり。
 長患いは、本人も介護者にも負担が大きくピンピンコロリを願う人は多い。しかし、倒れてすぐの死亡は、気持ちの準備ができないうちに無理やり別れさせられる。亡くなってから9日目に告別式と、お別れまでに間があった。義姉は突然逝かれてどうしようもなかったけど、この日数が助けてくれたと。何事にも間が大切だ。【大石克子】

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