アメリカでは、子供たちが正しい単語の綴りを競うスペリング・ビーという大会がある。日本でいうと漢字テストに近いだろうか。中学生時代、自分も棒の長さや点の位置や、あれ、この線は最後はねるのだっけ、とか必死に勉学に励んだ頃を思い出す。ところで以下の熟語の正確な読み方はどれでしょう?

「御用達」(ごようたつ)
「凡例」 (ぼんれい)
「発足」 (はっそく)
「画策」 (がさく)
「間髪」 (かんぱつ)
「稀有」 (きゆう)
「不朽」 (ふちく)
「他人事」(たにんごと)
「現存」 (げんぞん)
「傑出」 (かいしゅつ)
「終焉」 (しゅうとう)
「続柄」 (ぞくがら)
「遵守」 (そんしゅ)
「早急」 (そうきゅう)
「河豚」 (かわぶた)
「進捗」 (しんぽ)
「各々」 (かくかく)
「香具師」(かぐし)
「茨城」 (いばらぎ)

 最近、中国人の映像業界のベテランと会う機会があり、漢字の話題になった。今の若者たちは昔の海外作品の中国語字幕を理解できないという。1950年代に漢字を簡略化(『シンプリファイド・チャイニーズ』と英語で言っていた)したため読めないそうである。
 そういえば韓国でも1970年代に漢字廃止が進み、ハングル専門に使うようになった今の若者たちは漢字が読めなくなったと、韓国人の先輩が困ったように語っていた。
 さて前記の熟語の読み方は全て誤りで、正確な読み方はそれぞれ、「ごようたし」「はんれい」「ほっそく」「かくさく」「かんはつ」「けう」「ふきゅう」「ひとごと」「げんそん」「けっしゅつ」「しゅうえん」「つづきがら」「じゅんしゅ」「さっきゅう」「ふぐ」「しんちょく」「おのおの」「やし(漢字3文字だが、やし、と読む)」そして最後は「いばらき」である。「ぎ」でなく「き」だ。
 統一した漢字を共用して次世代でも理解できるのは日本人だけになるのかもしれない。これからもしっかり書き手として漢字の勉学を続けたいと思う。【長土居政史】

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