アースデーに元号を思う

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 日本のへそを宣言する町は多くあります。その根拠もさまざまで、経緯度の交わる点、人口の重心、最北端と最南端を結んだ点など、わが町こそ日本のへそ(=中心)であることを主張しています。
 そんなへそを宣言する町のひとつである岐阜県関市にある平成(へなり)地区の道の駅を訪ねた時に、「ありがとう! 平成時代」と書かれた看板が、やけにもの悲しく、時代の移り変わりを感じさせました。平成が始まった当初は新元号にあやかろうと、この地にも多くの人がつめかけたそうですが、今は山里の寂れた地区になっています。
 道の駅では、「もうすぐ平成でなくなるから、土産物を買って行って」と威勢の良い声にも少し元気がない。「この店もなくなるのですか?」と聞いたら、「平成(へいせい)はなくなるけど、平成(へなり)はなくならないよ」という返答に、次の言葉を探せませんでした。
 内外で平和が成し遂げられるようにとつけられた平成の30年間で、国内で戦争が起こらなかったことは誇るべきですが、世界を見渡すと戦争やテロへの脅威が終わる気配はなく、国内でもテロ、自然災害や原子力発電所の事故に打ちのめされました。平成が平和であったのかと振り返ってみると、うつむき加減になってしまいます。
 それでも元号が変わるごとに、私たちは時代が変わることを意識せざるを得ません。昭和から平成そして令和へと、元号の漢字の上では平和をつないでいます。折しも4月22日はアースデーです。地球規模での平和のバトンが次の時代に渡されていくことは、私たちの大きなミッションです。元号を思い、平和を思い、地球を思うことは、私たちにとって大切なことにちがいありません。
 5月から始まる令和という新しい元号は、万葉集の「初春の令月にして、気淑(よ)く風和(やわら)ぎ」から引用されました。令月とは陰暦で2月のことであり、広辞苑には「万事をなすのによい月。めでたい月」と書いてあります。令和(=0話)から始まる時代が、皆さまにとってかけがえのない人生の物語となりますことを願っています。【朝倉巨瑞】

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