東京から

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 母国に帰国し数十年振りで東京の生活が始まった。住むとなると半分浦島太郎だから故国の風物が新鮮に映る。さらに日本人が日本で生きるのは実に自然で楽だ、そして楽しく面白おかしい。
 長い在米中に日本には親に顔を見せに70回以上里帰り旅行した。里帰りの度に折角の日本、各地を旅行して回ったから日本のことはよく分かっているつもりだったが、旅行と住むのでは見方の幅と深さが違うと分かってきた。旅行者はやはり生活者でなくあちこち訪ね観光し忙しく人と会う通過者だ。一時滞在型で動き続け寝泊まりもホテル、食べる場所も旅行者的な所で食べる。
 住む暮しになると目の前には日本での時間がずーっと続き、広い東京で行く所、人と会う所、遊ぶ所、食べる所、買い物をする所など豊富で無限の選択が広がる。急がずゆっくり微細に試し体験し味わう日々になる。
 住み始めてすぐ感じたのはまず何処で何を食べてもおいしい、街はゴミ一つ落ちていない、 銃犯罪や殺人などの凶悪犯罪が世界で最も低いレベルの国という知識もあるが昼も夜も何処へ行っても安全安心の感覚がある、夜でも女性も子供まで一人で平気で歩いている、交通網が密度高く発達しているから車の運転が不要で沢山ある楽しい所に気楽に行ける、ラーメン一杯食べに行くにも映画一つ見に行くにも運転、ではなくなった。今までと違う世界にいるのが不思議に感じる。
 ここで急きょ話題転換。今季のプロ野球、巨人阪神第1戦に行った。東京ドーム。満員でやっと買えた2階席だったが、若き4番岡本の決勝長打、丸の移籍初本塁打などで巨人が9対3で完勝、万歳で大満足だった。日本のプロ野球は何十年ぶりか。ドーム内外の素晴らしい施設。試合前のイベントや選手登場の紹介など照明を使い凄くショーアップされているのに驚いた。日本のプロ野球は5万人近い観客全体の応援の盛り上がりと熱さが凄い。脳梗塞のリハビリ中の長嶋茂雄終身名誉監督が貴賓席に娘さんと来てアナウンスされスクリーンに映り大歓声。長嶋の学生時代から弟分の世代で熱く見続けてきた僕はすぐに目が潤んだ。【半田俊夫】

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