苔のむすまで

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 5月より元号が令和に変わったが、『君が代』は国歌としてこれからも歌い継がれて行くだろう。『君が代』にまつわる話や政治的論争はさておき、ここでは最後の一行に出てくる『苔』と変化の話。
 『君が代』の歌詞にはさざれ石が巌(いわお、岩)になり、そこに苔が生えると記述されている。石灰石などから出る乳状液でつながっていった石が巌になり、そこに苔が生えるまでということで、長い時間の経過をうたっている。
 苔にたとえた言い伝えが英語にもある。A rolling stone gathered no moss. この一文には二通りの解釈があり『転がる石のように、腰を落ち着けない者には苔すら生えない』という否定的なものと、『変わり続けて行けば、苔など生えない』と相反する内容だ。 前者が以前の解釈で後者が最近のものと聞いたことがある。
 時代はデジタル、インターネット、AIの登場と大きな変化を内含し、めまぐるしく変わっていく産業革命の真只中。いろいろなところで転換を迫られる状況に直面する。書き込んで投函すれば良かった書類が、ウェブサイトからの申請に移行し、アカウントの設置やパスワードなどで手間がかかり、かえって不便に感じることも多い。
 反対に英語の意味やスペルはすぐ見つかり、忘れた漢字もいとも簡単に変換できる。大昔に使った百科事典の内容はインターネットでいつでも調べられ、 歴史の年号や事象を暗記することの価値は薄れる。忘れそうなことはスマホのメモ機能、音声入力やカメラで撮っておけば、どこでもすぐ取り出して確認できる。カメラはビデオ電話としても使え、ほとんどの場合無料。地図がなくてもナビが道順を教えてくれる。
 大きな災害時や僻地などでは、こうした機能が使えなくなったケースを見聞きするが、非常事態発生時への対応は、行政や関連企業の今後の重要課題。なお使い方が不明なときは、子供や孫の手ならぬ孫の知恵を借りるのが早道。われわれ個々人は時代の流れに沿って登場してくる道具や機能を、敬遠せずに使いこなして転がっていけば、コケにされることはない!?【清水一路】

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