初のミシュラン1つ星:安住シェフ、気持ち引き締め

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Shin Sushi

「Shunji」のオーナーシェフ中尾俊二さん(右)と乾杯する安住武敏さん

 レストランの評価を星の数で表す「ミシュランガイド」が3日、2019年度カリフォルニア版に掲載される星選定の発表を行った。

 LA地区では18軒が星を獲得。中でも日本食レストランは2つ星3軒、1つ星8軒と存在感を示した。
 WLAやビバリーヒルズ、ダウンタウンLAにミシュランスターが集中する中、サンファナンドバレーから唯一1つ星で選出されたのは、昨年7月にエンシノにオープンした「Shin Sushi(新寿司)」。オーナーシェフの安住武敏さんは、亡父、安住信光さんの店「新寿司」の看板を受け継いだ。「父の店の名で星をもらえたことが最高に嬉しい」と語る。
「1カ月ほど前に封書でミシュランパーティーへの招待状が届いた。星については何も書いていませんでした」。 市場で魚の仕入れ中、他に招待された人はいないか周りを気にしてみたが誰からもそんな話は出ない。パーティー当日、安住さんは妻の幸世さんを同伴し出席した。「名前を呼ばれて舞台に上がりミシュランシェフのガウンを贈られた。それを着て初めて星をもらったと実感した」。同じく1つ星を獲得した先輩シェフ、「Shunji」の中尾俊二さんとともに喜びを分かち合った。

ミシュランのパーティー会場で記念撮影する安住さん(右)と妻の幸世さん

 安住さんは「ズボンのポケットに入れていた携帯電話が、受賞したとたんブルブル鳴り始めて…」とその瞬間を思い出す。幸世さんは「パーティーが生中継されていたようです。星を受けたことでいろいろな方面からお祝いの電話や予約の電話をいただいた」とその時の雰囲気を語った。
 「あさねぼう」(スタジオ・シティー)や「もりすし」(WLA)といったミシュランスターの店に勤めていた安住さんは、星を獲得するときの流れを経験していた。ところが今回は「ミシュランの人がいつ来たのか、まったくわからなかった」と不思議そうに首を振る。
 ミシュラン関連サイトに上がった新寿司の説明には、「いきなりの一つ星!」と見出しがついた。開店1年未満のレストランがミシュランスターを受けるのは「珍しいのでは」と安住さんと周辺は語る。「これからは仕事ぶりを見られる立場。星が付くというのはそういうことだと思っています」と気持ちを引き締めた。
 すし屋通りとの異名があるベンチュラブルバードに面したモールの一角。カウンターとテーブルが数席あるのみのシンプルな店を開いたのは今から10カ月ほど前。東京都三鷹市ですし店を経営していた父のもと、幼少のころからその実直な仕事ぶりを眺めてきた。男兄弟3人の末っ子。先にLAに渡った叔父とすぐ上の兄を追って15年ほど前に渡米した。日本で料理の基礎を身につけLAの一流店で技を磨いた。空き店舗入所の募集に即応じ、「いずれは自分の店を持ちたい」との思いを成就。結婚、独立開店、第一子誕生と、2018年は人生の一大イベントが連なる忘れられない年となった。

父から継いだ看板を背に、形見の包丁を握る安住さん

  日本に住む母からは『これからもおごらずに』と激励されたという。
 WLA界隈へ通う美食家たちが「山のこちら側(バレー方面)にも来てくれるようになれば。近所の人に長く愛された父の店が理想」。
  2009年を最後に約10年間LA地区は掲載されておらず、 久しぶりの星選定となった。これまでカリフォルニア版は、サンフランシスコやベイエリアなどを中心としたワインカントリーが対象とされてきた。今回はLAやオレンジ郡、サンタバーバラ、サンディエゴまで対象エリアが拡大。657軒が推奨店舗として紹介され、そのうち星付きは90軒だった。
 羅府新報の「Eatadakimasu」の紙面で過去に掲載した「Hayato」と「Shibumi」(ともにダウンタウンLA)も初の1つ星を獲得した。

Shin Sushi
16573 Ventura Blvd., Ste14, Encino CA 91436
818-616-4148

【麻生美重、写真も】

食感を楽しむ芽ねぎのすし

味わい深い春子鯛(かすごだい)のすし

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