気の遠くなるプラごみ

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 無駄な抵抗か、いや、そんなことはない、と迷いながらもスタバの店員さんに言ってみた。「フタとストローはナシでいいです。そのまま口をつけて飲みます」
 視界に入った店内のゴミ箱にはプラスチックのカップ、フタ、ストローが山積みだった。意欲が削がれそうになったけれど、何かしたいと思いはじめていた。
 先月、ニューメキシコ、アリゾナ、カリフォルニアと懐かしい場所をドライブした。トランプ政権下のアメリカは環境対策が後退しつつあるだろうと思っていたら、身近に触れたシーンでは、私自身が環境後進国から来た気持ちになった。
 レストランやホテルのバーで飲んだマルガリータ、ホールフーズの野菜ジュースやアイスラテにも「紙ストロー」がついてきた。スタバのアイスコーヒーはストローを使わずにそのまま飲める「広い飲み口のカップ」で提供された。少なくとも私は、日本でまだ経験したことがなかった。
 日本でもプラスチックごみ対策が始まっていると報道されている。マイタンブラーやが推奨され、紙ストローや洗えるマイストローも一部で販売されているようだ。マクドナルドやスタバなど大手チェーンではプラスチックストローの廃止をめざしているが、日本ではいつ始まるのか決まっていないようだ。
 日本は1人あたりの使い捨てプラスチックの使用量が米国に次いで多いという。大阪で6月に開かれたG20サミットでは「プラスチックの海洋流出を2050年までにゼロにする」という目標が決まった。世界全体のプラ廃棄量は年間3億トンにのぼり、うち800万トンが海に流出しているという。海洋生物への影響やマイクロプラスチックの問題も心配だ。
 自分の周りを見渡してみる。一体どうしていいのか分からなくなってしまうくらい、プラ製品にどっぷりとつかった生活を送っている。あれもこれもプラスチックだ。
 昨日はこのコラムを仕上げるために会社近くのスタバに行った。溢れてパソコンが壊れたら大変だと思い、今度はフタとストローをお願いしてしまった。初志貫徹できなかった。地球環境のために何からはじめたらいいんだろう。スケールの大きすぎる問題に正直気が遠くなっている。【中西奈緒】

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