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充実の米巡業、べガスで千秋楽:7州を行脚、芸にいっそうの磨き

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ビジュアル系チンドン屋「べんてんや」

ジャパニーズ・ビレッジプラザで演奏するアーサー中根さん(中央)との共演。「上を向いて歩こう」を披露するべんてんやのスージーさん(左)とすずこさん

 「アメリカデビュー」を今月2日に果たし波に乗るプロのチンドン屋「べんてんや」が今週末のサンディエゴとラスベガスをもって、東海岸から西海岸へと米大陸を横断した7州26カ所に上る巡業を終える。22日、関係先へのあいさつのため訪れた小東京では演奏を披露し、芸にいっそうの磨きをかけた今ツアーの充実ぶりを語った。

小東京のやぐらを背に練り歩くべんてんや

 名古屋をベースに活動するメンバーは10人すべて若い女性で構成し、今回は5人が来米。派手な着物にカラーウイッグがよく似合うビジュアル系が、笑顔を振りまき鉦や太鼓を賑やかに鳴らすと華やかさは際立つ。
 米公演は、大学や日本語補習校など教育機関や、幼稚園、引退者ホーム、ライブハウスなどさまざまな箇所を行脚し、幅広い年齢層から支持を得た。リーダーのスージーさんは「それぞれにバリエーションに富んだお客さんを相手にし、反応もそれぞれ違って楽しかった」と話した。客層に応じて日本の昔ながらの曲やチンドン屋の定番曲、日本のアニメソング、お馴染みの米ポップスを織り交ぜて場を盛り上げ、「子供から年配者まで親しみを感じる」と、国内と同様の好評を得たという。
 芸の披露のみならず、大学でのレクチャーでは伝統のチンドン屋の歴史を紹介する役割も担った。江戸時代から続く大衆芸能は文明開化を経てアコーディオンやクラリネットなど洋楽器を取り入れ発展してきたが「ただのステージパフォーマーとは違う」と一線を画し、街頭での広告宣伝の仕事もこなすことを強調して「そういう文化が日本にあることを分かってもらえた」と胸を張る。
 日本語学習者や日本文化に興味を持つ生徒は特に真剣に聴き入り関心したという。参加者と一緒に「トザイ、トーザイ…」の宣伝口上を述べたり、「チンドン」を抱えて会場を練り歩く体験をさせ「『楽しかった』『いい経験になった』と言ってもらえた」と喜ぶ。公演後に多くの参加者の記念撮影のリクエストに応えたクラリネット担当のすずこさんは「いろんな人に出会ったが、みなさんとてもフレンドリー。ハグされまくってアメリカにいるんだなと実感した」と話し、参加者とのふれ合いを楽しんだ。

小東京を練り歩いたべんてんや。派手な着物とカラーウィッグが人々の目を引いた

 スージーさんは米巡業を振り返り「いろんな貴重な体験をさせてもらい、刺激的な毎日を過ごすことができた。どこも印象に残っていて忘れられない。一つひとつが充実していて中身がとても濃かった」と声を弾ませた。今後の海外での活動について「音楽は人と人をつなげて、笑顔が溢れるようになる力を持つ」の持論を述べた上で「アメリカでチンドン屋の仕事を通じて日本に興味を持ってもらえたと思う。こうした活動を継続して一歩ずつでも前に進み、平和につなげることができればいい」と意欲を示した。米巡業千秋楽のべガスは、世界のエンターテイナーにとっての憧れの舞台だ。「いつかメンバー全員でステージに立ってショーができれば最高」と、大きな夢を膨らませる。【永田潤、写真も】

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