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IRAのRMD

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 タックスリターンが気になる頃だ。アルファベットの連なるこのタイトルには、何のことかといぶかしむ読者もおられることだろう。読者の年齢によっては興味を持てない内容かもしれない。が、いつかお役に立てばと、ここに私の失敗を記すことにした。
 IRAとはIndividual Retirement Account で、個人退職年金口座とでも訳すのだろうか。長年同じ会社で働くことの多い日本では、会社からの退職金を老後の資金として期待できる。しかし、転職の多いアメリカではそうもいかず、資金は自分で積み立てておかざるを得ない。その積立を推奨するのがIRAだ。
 Traditional IRAは、限度制限はあるものの、積立額を年収から差し引いて税金申告できる。仮に年収が6万ドルで、そのうち6千ドルをIRAに入れると、その年の税金の対象は5万4千ドルだ。年月を経るうちにIRAの6千ドルに3千ドルほどの利子が積もれば、引退後の生活に入る頃には9千ドルになっている。その9千ドルは、引き出すときに初めて収入とみなされて課税対象となる仕組み。バリバリ稼いでいる時の税金を少なくし、収入も少なくなった時に低い税率で税金を納めればよい点が魅力だ。
 これに対し、Roth IRAというものがある。こちらは、6千ドルを積み立てても課税対象のままで、その年は6万ドルに対しての税金を払うことになる。しかし、引退して引き出す時までについた3千ドルの利子については、課税対象とならない。これが利点だ。
 どちらのIRAもそれなりの魅力があり、私もこれまで利用してきた。
 ところで、タイトル後半のRMDとはRequired Minimum Distribution(法定最小引き出し額)で、70歳半になる年からは毎年IRAの一定割合を引き出さなければならない。いつまでも税金を払わないままではおかないよ、ということだ。それをしない場合は、その年に予定されたRMDの50%が罰金として課される。
 そして、ここで注意が要るのは、Traditional IRAだけがRMDの対象となること。いくらRoth IRAを引き出しても、IRAのRMDを満たしたことにならない。つまりIRS(内国歳入庁)からペナルティーが課されることになる。
 そう、私の失敗とは、うっかりして昨年、Roth IRAだけを引き出してしまったことだ。皆さんも、どうぞご注意を。【楠瀬明子】

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