モットーは「打倒トランプ!」
 まずは今夏7月民主党全国大会で候補者指名選出に向けて、アイオワ州党員集会が開始された。データ集計の波乱の中、激戦の末、中道派ピート・ブティジェッジが、急進派バーニー・サンダースを僅差でトップの座を勝ち取ったようだ。
 中西部インディアナ州サウスベンド(人口10万人余り。強豪アメフトで有名なノートルダム大学が近郊にある)前市長のピートは、ハーバード大学卒、米海軍予備役将校でアフガニスタンにも従軍した若干38歳の新世代希望の星だ。誕生日が1月19日。もし当選したら就任式は来年2021年1月20日だから、39歳の最年少大統領誕生となる。30代は初。
 これまでの就任時史上最年少大統領はジョン・F・ケネディ(43歳)ではなくセオドア・ルーズベルト(42歳)。ちなみに最年長はトランプ(当時70歳)。もしバーニーが就任すれば、彼が最年長(79歳になる)だ。
 画期的なアイデアはもちろん効果的な政策で、行政を施行するには年齢は関係ない。しかし、任期制限無しの下院(平均年齢57・6歳)と上院(平均年齢62・9歳)を牛耳っている海千山千の経験豊富な議員たちと闘争し、議会の承認も得なければならない。
 バーニー同様、医療保険制度改革に向け、国民皆保険適用を提唱するエリザベス・ウォ―レン(70歳)も急進派だ。中道派をゆく元副大統領のジョー・バイデン(77歳)はやや陰りが見えるが、巻き返しを図る。ミネソタ州上院議員のエイミー・クロブシャー(59歳)も中道派で、郡地方検事選出も含め過去のいかなる選挙で彼女は負けなしだ。
 巧みな勝利への戦略を練り、莫大(ばくだい)な選挙資金力で出馬した前NY市長大富豪マイケル・ブルームバーグ(77歳)も注目すべきだ。ライバルのトランプに物怖じせず真っ向勝負できる。
 最後に番狂わせを狙う台湾からの移民二世の起業家アンドリュー・ヤン(45歳)。元弁護士。スピーチやインタビューを視聴すると、他の『政治家候補者』たちとは異なる、統計に基づく新鮮な視点は興味深い。新たな旋風を期待する。【長土居政史】

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