コロナウイルス・ヒステリア

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 新型肺炎ウイルスCOVID19は、関連国や世界保健機関まで乗り出してまん延を阻止しようとしているのに、何処にその効果が表れているのか、遅速の差はあれど徐々に、そして確実に広がっている。
 それに伴って、感染から家族や日常生活を守ろうとして、人々の思考回路は乱され、常識では考えられない行動をとり、次々繰り出されるネガティブなニュースは見えないものへの恐怖を増幅してゆく。
 知人は楽しみにしているズンバのクラスで、2人の女性から手を繋ぐのを拒否され、ある中国系女性はコーヒーショップでくしゃみをして店から追い出され、アジア系ファミリーがスポーツ観戦に出掛けたら自分たちの周りの席がいつの間にか空になっていたという、信じられない話を次々聞かされる。
 こうなると良識などという言葉は意味を持たなくなる。
 先週そろそろトイレット・ティッシュが切れるからと、大型ホールセールの店に出掛けたら客がみんな同じ方向に流れてゆく。「何かおかしい」と思いながらティッシュをカートに放り込むと、周りの人もみんな同じようにする。「アレッ?」とは思ったが鈍い私はそれでも社会的危機(?)に気付かず、除菌スプレーや消毒液の棚が品薄になっていることにも注意していなかった。私が一番よく使うのが固形ソープだったせいもあるが…。
 帰宅してテレビニュースを見ながらやっと自分の鈍さに気が付いた。
 おめでたい話である。
 症状さえ出なければ保菌者自身が、無意識に歩き回るのだから感染経路がつかみ難い上に、決定的な治療薬がいまだ治験段階では、人々がパニックになっても不思議ではない。
 学校は閉鎖、仕事は自宅からインターネットで、レストランも劇場も休業、盛り場はゴーストタウンになり、株は暴落。シカゴでも大型コンベンションが次々キャンセルされている。
 口ばかりで無能な私に何ができるのだろう。
 一カ月分の食料を買い込んで、処方薬も切らさないように…。知人に会っても握手もハグも無し。
 月や火星への周遊旅行なんかどうでもいいからコロナウイルスなんとかしてください。【川口加代子】

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