COVID・19は差別しない?

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 自宅拘束も2カ月を過ぎると、大統領のブリーフィングもだらしなくなり、気温の上昇と共に街に車や人出が増え、危機感も薄れて国民の堪忍袋がほころび始めている。
 尋常でない感染への恐怖や緊張感の連続の中で人々が宗教によりどころを求めるのは理解できるが、教会に集う礼拝や集会を許可しろという要求も素直にうなづけない。
 収入を絶たれた人々がロックダウンの解除を要求して銃器まで持ち出すデモが頻繁に組織され不穏な空気もある。市民の安全を第一義としながらも経済的な保障を約束できない市長や州知事は板ばさみ状態。
 死者の数が減ったともCOVID-19を克服したとも思えない今、拘束を解いて第2波が襲ってこない保障はどこにもない。
 「コロナ・ウイルスは皮膚の色や人種、貧富で差別しない。自分はかからないなどと夢にも思うべからず」
 新型肺炎の感染者と犠牲者の数が上昇を続けていた頃、こんな警告を聞いてなるほどと思ったのだが、はたしてそうなのだろうか。
 統計によると、アフリカ系、ラテン系と呼ばれるコミュニティー、ナバホー・インディアンの居留地などで感染者や犠牲者が明らかに多く、その理由として、低所得者層では心臓疾患、糖尿病、呼吸器の疾患などを慢性的に抱えながら、十分な治療をできないまま日常生活をおくっている人の数が圧倒的に多いにも拘らず地域の医療施設がお粗末で、その上医療保険がない、狭い居住スペースに、多くの人が住まなければならないなどの悪条件が挙げられている。
 コロナ・ウイルスには心も思想も無いのだから差別も有り得ないが、政治や社会がつくり上げた恵まれない土壌からは簡単に腰を上げようとしない。
 逆に職員は1日に2度も検査を受け、消毒清掃も行き届き、人と人がたっぷりとスペースを取れるホワイトハウスのような所には近づきたくないということで、ブリーフィングの度にXX州にはPPEを何百万支給したと自慢たらたらのトランプ大統領のマスク姿はこれからも多分見ることはないだろう。
 パンデミックと本気で戦う気の無い指導者を頂いているアメリカの不幸ここにあり、というところ。【川口加代子】

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