続く病みの闇

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 新型コロナウィルス感染拡大防止の外出禁止令でストレスが高まっているこの時期。再開に向けてのガイドラインが示され、お店が再開し始めたのもつかの間。ミネアポリス市で起こった、ジョージ・フロイド黒人容疑者を死に至らしめた白人警官に対する抗議行動が週末、各地で勃発。州兵も応援要請された。単なる抗議デモではなく、デモに便乗した放火、落書き、破壊に略奪が相次いだ。リトル東京でもシューズ店や薬店らが被害に遭った。
 92年のロサンゼルス暴動の時は日本だったので、ニュースで見ただけ。現地で見る実際は、目の前のことだけに緊迫感が違う。黒人の命を大事に思う人たちが行動しているのに、一部の黒人が窓ガラスやドアを壊して盗みをするのは抗議行動に水を差す、自らをおとしめる行為だと思う。映像で見る限り白人警官の行為は明らかに行き過ぎている。だからといって、警察全体が悪いと決めつけられない。警官の多くは市民の安全を守るために働いている。ジャスティスを訴える破壊行動を伴わない示威運動はいい。長い歴史の黒人差別は終わりにしなければならない。
 ピースフルに行進するグループ、ガラスを壊して略奪しようとする暴徒に両手を広げて阻む人たち、破壊を止めようと「暴力はやめて!」と書いたボードを目の前にかざしてはねのけられた女性、抗議行動の参加者と一体となって行動する警官、壊された後の片付けを手伝うボランティアなど、あさましい光景だけではなかったことが救いだった。被害者家族も暴力はいけないと訴えていた。6月2日のリトル東京を起点としたキリスト教団体主催のマーチは平穏に終わったが、その後はどう続くのか。
 一連の抗議行動で人との距離を保っているグループもあったが、マスク不使用、人との距離が密など、新型コロナウィルスの収束が遠のく心配がある。店やレストランの破壊行動も再開を遅らせ、経済に与える打撃も大きいと思われる。
 ウイルスも人種問題も特効薬がない。各自のマスク着用、手洗い励行と一緒で、それぞれが知恵をもって行動することが大切だと思う。暴力からは何も生まれない。【大石克子】

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