やっと済んだ?

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 何を担いでいたわけでもない。選挙運動に駆り出されたわけでもない。ましてや家族や友人が立候補していたわけでもないのに、なんとも疲れた大統領選挙だった。
 いや、まだ済んだわけではなさそうだ。トランプ大統領が何を勘違いしているのか、敗北を認めるどころか民主党が票を盗んだ、と言い掛かりをつけて、最後のあがきを続けている。この期に及んで何をいまさら国民の血税で4年間もいい夢を見させてもらって、やりたい放題、言いたい放題、人間引き際がいかに大切か、今しっかり見せてもらっている。
 この暗君には取り巻きは多いが、「いい加減にしろ」と一括できる大久保彦左衛門もいなければ、水戸黄門もいない。いるのは同じ穴のむじな(?)のような顧問弁護士と、自分の将来だけが心配な、寄らば大樹の陰の大樹に倒れられては困る議員連中や富豪たち。
 元々この大樹は中が洞だから、ホワイトハウスに入る器ではなかったはず。
 それにしても言うこととすることのギャップが、これほどかけ離れている人もめずらしい。つじつまが合おうと合うまいと、平気でうそ、あるいはでたらめを大統領の顔で言える人である。
 それでも彼は米国市民、意に添わぬことは法律の許す範囲で法廷に持ち込んで争う権利はあるのだが、さて、われわれの清き一票を改めて数え直す諸経費は誰が払うのだろう。弁護士だってボランティアで頑張っているわけではなかろうし、コロナ対策だけでも大赤字のはずなのに、この上の国費や時間の無駄遣いは遠慮してもらいたい。まあ自分の所得税の申告をそのうち、近々、と言いながら、4年間近く引き伸ばして、やっと出した税額が750ドル。国民を馬鹿にし続けた男である。
 「最後の最後まで諦めずに戦い抜くのがアメリカ人らしい」とか何とか、わけのわからないことを言ってトランプを褒め上げている日本人もいるそうだが、開票速報を見ながら、「4年間にわたって飲まされた苦汁の味をすでに忘れた有権者がまだこれほどいるのか」と背筋が寒くなったというアメリカ市民がいることも付け加えておこう。【川口加代子】

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