米国人尺八奏者の半生紹介:ドキュメンタリー映画配信開始

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「Words Can’t Go There」

自宅を囲む竹林で尺八を奏でる海山師

尺八に魅了され、1970年代に単身日本に渡ったカリフォルニア生まれの米国人、ジョン・海山・ネプチューン氏の半生を紹介したドキュメンタリー長編映画「Words Can’t Go There(邦題―海山 たけのおと)」は日本で好評を得、さらにアリゾナの「SHOW LOW」映画祭に出品されて、最優秀ドキュメンタリー賞と最優秀スコア賞をダブル受賞した。その話題作が、北米その他海外各国で先月20日から配信されている。

自宅を囲む竹林で尺八を奏でる海山師

日本では「伝統」や「古典」というイメージが先行する尺八。これに真正面から「楽器」として向き合ったジョン・海山・ネプチューン。 尺八は、一見シンプルな楽器だが、その音色には他のどの楽器にも出せない魅力がある。 その楽器としての魅力に、何の先入観もなかった米国人の海山が運命的に出会った。
作品では、自宅兼製管工房での日常や、国内外の演奏活動に密着。さらに、本人のみならず、家族、師匠、仲間、海山の音楽に影響を受けた若きミュージシャン、 そして音楽界の著名人らにインタビューしている。海山が日本の音楽界に与えた影響を追いつつ、一つの芸術を極めるために犠牲にしてきた人生の側面にも、息子であるデビッド・ネプチューン監督だからこそ、時に息詰まるような距離感から、独自の視点で迫る。

チェコ共和国プラハの国際尺八フェスティバルでオリジナル曲「Forest Trails」を演奏するジョン海山ネプチューン師(右端)

誰もが抱える夢を追うことへの代償、家族との葛藤…。そして芸術を極めるという厳しい道程。保守的な京都の伝統文化の世界で、外国人である海山が奮闘する姿は、事情は違えど同じ異文化に飛び込んだという意味で、共通点が多い米国で暮らすわれわれ日本人と重なる。自分自身と海山を重ね、深い共感を呼ぶ。さわやかな余韻の残るラストシーンは、勇気付けられることに違いない。

工房で尺八制作に没頭するジョン海山ネプチューン師

作品は、iTunes、グーグル・プレー、アマゾンで配信されている。販売はHDが12・99ドル、SDは9・99ドル。レンタルはHD4・99、SD3・99ドル。金額は全プラットフォーム共通。
ホームページ―
www.kaizanmovie.com
ジョン・海山・ネプチューン 1951年、カリフォルニア生まれ。ハワイ大学で民族音楽学を専攻、尺八と出会いその音色に一瞬でほれ込む。73年、22歳で訪日。京都の地を踏み, 都山流家元の門をたたく。数年間にわたる修行の末、尺八都山流師範の免許を得て、師匠三好芫山より雅号「海山(かいざん)」を授かる。以来、発表したアルバムは20枚を超え、奏者、作曲家、製菅師という全ての面で、尺八界に大きな影響を与えてきた。尺八の新たな可能性を発掘する海山に異議を唱える者もいたが、新しい息を吹き込んだとの称賛も多かった。世界中を飛び回り演奏を行うかたわら、今も千葉県の竹林に囲まれた自宅の工房で、尺八を作り音楽活動を続けている。

自宅で息子のデビッド・ネプチューン監督と撮影の打ち合わせをするジョン海山ネプチューン師

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