勢ぞろ揃いした佐藤松豊会一門の弟子たち。離れていても心を一つにし演奏した
【写真上】日本からゲスト出演した民謡の成世昌平師【同下】入門して1カ月ながら群馬県民謡の草津湯もみ唄を堂々と演奏した前田美由紀
 会設立55年の歴史を誇り、日本民謡の普及・伝承に努める「松豊会(佐藤松豊会主)」はこのほど、初の試みとしてオンラインによる温習会を催した。新型コロナウイルスの影響で、日系社会でさまざまなイベントが中止になり、松豊会も日系の引退者ホーム慰問などを自粛する中、松豊師は「こんな時だからこそ、コロナに負けず多くの人に元気を届けたい」という強い意思を持ち、オンラインで実現させた。


 弟子が日頃の稽古の成果を発表する恒例イベントは、コロナ禍のため会場で披露することは見送られたが、オンラインでつなぎ、心を一つにして開催にこぎ着けた。集まって演奏ができないため、一人一人の演奏を録画して動画を編集するという形式がとられた。踊りや日本から参加した成世昌平師の激励のあいさつは弟子たちを奮い立たせ、ステージに上がった昨年までと同様にバラエティーに富んだショーとなった。


熊本県民謡の球磨の六調子を披露する佐藤松豊捺(右)と娘のミーナちゃん
 本番は、招待された約60人が参加した。米国内はロサンゼルス地域はもとより、サンフランシスコやラスベガスなど遠方に加え、カナダのバンクーバー、日本、台湾、タイなど外国からも鑑賞できるのがオンライン開催の最大の利点。視聴者から「良かった」「感動した」などと称賛され、反響の大きさに会員は驚き、励まされたという。

 芸に厳しい松豊師らしく「練習不足は否めず、決して満足いくものではなかった」としながらも、予想以上の反響を喜んだ。「弟子一人一人が一生懸命に演奏する姿が見てとれると思う。より多くの人に見て、聴いてもらい日本民謡の素晴らしさを分かってもらいたい」と、オンラインの鑑賞を呼び掛けている。

 オンライン温習会は、松豊会のホームページ(matsutoyokai.org)または同会のフェイスブック(facebook.com/MatsutoyoKai)で、1月15日まで視聴することができる。
模範の演奏を披露する佐藤松豊師

特別出演した坂東秀十美師(左)と坂東拡三也師

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