特別な国アメリカの展望

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 先日、ワシントンDCのキャピトルと呼ばれる議会議事堂が、過激的な一部のトランプ支持者によって襲撃された。
 そのショッキングな事件に当たり、アクション・スターでありカリフォルニア州の知事(2003〜11年)を務めたアーノルド・シュワルツェネッガー氏が7分半余りの動画を投稿した。オーストリアで育った彼は、うそで始まりユダヤ人迫害にまで至ったナチスドイツによる過去の悲惨な歴史をとりあげ、同じ過ちを繰り返すな、と怒りと危惧を心から訴えた。熱意と説得力のある内容に共感した。「トランプは史上最悪の大統領」との見解には120%同意する。
 アメリカ建国時の基盤である民主主義を揺るがした。暴力による政権転覆はクーデターである。死者も出た。理解に苦しむのは、その後もバイデン勝利を認めない共和党議員たちがまだ多数いることだ。当日爆弾でも爆発していたら大惨事が生じ、彼らも死傷者になっていたかもしれないのにだ。7400万票を集めたトランプ人気を、自らの時期選挙では、敵に回したくない計算からだろう。それにしても腰抜けで情けない。
 自分は若い頃、80年代初期の日本でアメリカに憧れた。情報源は雑誌や映画などに限られていた。皆満面のスマイルでフレンドリー、スケールが大きく朗らかで、余裕と正義感がありフェアで、勇気と夢と希望を与えてくれる素敵な国だと。留学の夢を果たし初渡米した時は、本当に伸び伸びできた。
 今思えば、実は狂気じみた邪悪なるアメリカの側面は、昔から常に潜在性を持ち、単に幻想による自分がそれに対し盲目だったからなのかもしれない。近年トランプ政権台頭がきっかけで、増長し闇から表面化しただけなのだ。
 民主党による2回目の大統領弾劾決議案の内容に「反乱を扇動」が含まれる。マフィアのボスが自らその行為をしなくとも、部下に犯罪を指示したら、その罪は問われる、のと同じ理論だ。
 特別な存在のはずのアメリカ神話が崩れて悲しい。なかなか収束しない厄介なコロナのパンデミックが状況を複雑化させているが、今年は是非とも平和で明るくなってほしい。【長土居政史】

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