まさにアメリカ…

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 職場の社会福祉団体は病院やナーシングホームではないが、デイサービスなど高齢者のケアが大きな部分を占めているおかげで、職員全員が早期にCOVID19の予防ワクチンを摂取できるという恩恵を受けた。
 早速オンラインで市内に設置された会場を探したが、便利なところはどの時間帯もすでに埋まっておりラッシュアワーなら車で軽く1時間はかかるサウスの大学にスポットを見つけて予約を確保した。
 ちょうどワシントンではバイデン大統領の就任式が行われた日で、反対派のデモや暴動を警戒して市庁舎などの公的なオフィスなどが閉鎖されていたおかげ(?)で高速道路も空いていて、30分少々で会場に到着。入り口で検温、名前や予約時間を確認され、長い列の後尾に並び、やっとドアが近づいたと思ったら、整理係が「まだまだ、向こうの廊下の端まで行って、そこからもう一度曲がって、ここまで戻っておいで」と言う。よく見ると折れ曲がった列が延々と続いている。疲れた顔の半分をマスクで覆った人々の列である。
 やっと体育館のような会場にたどり着き、整理員の1人をつかまえて、「どうしてこう渋滞しているの」と尋ねると、「ナースがたりなくてね」という返事。
 やっと中が見渡せる所まで進んでみると、なるほど接種のステーションは10テーブル用意されているが、実際に接種をしているナースは4人だけ。
 「まさにアメリカ」と思った途端、1人のナースが立ち上がり、後ろの同僚に、「じゃあ私帰るから」とさっさと出て行ってしまった。後続部隊が来る様子もなく、7つのテーブルは空いたまま。
 個人の事情があるのかもしれないが、あれだけ長い列をつくって待っている人々を見ても、時間がくればさっさと帰れる度胸、7つのステーションを空いたままにしておく責任者、そして私以外は、誰一人この状態をおかしいとは思っていないらしい。多分こんなことを書く私の方がおかしいのかもしれない。
 何はともあれ予定の時間から1時間以上待って、やっと初回の摂取を受けて47%大丈夫になり、めでたく2度目の接種の予約も3週間後に入れることができた。【川口加代子】

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