小東京1街北地区、地元に権限:低中所得者住宅と教育センター建設へ

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GFBが借地契約延長を承認得る

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LTSCとGo For Brokeのプロジェクトの初期の完成予想イメージ

 ロサンゼルス市議会第14区選出のケビン・デ・リオン議員は、2020年9月にゴー・フォー・ブローク・ナショナル・エデュケーション・センター(GFBNEC)とリトル東京サービス・センター(LTSC)が締結した借地契約延長する動議を提出していたが、このたび市議会において全会一致で決議された。小東京コミュニティーでは「ファースト・ストリート・ノース」と呼ばれる地域の管轄権を得るために何十年もかけて取り組んできたが、この決議により、ユニオン・センター・フォー・ジ・アーツのすぐ北側に位置するテンプル街とジャッジ・ジョン・アイソ通りの南東の角に、低中所得者向けの住宅と教育センターを建設する道が開かれたことになる。

 アイソ通り、アラメダ街、1街、テンプル街に四方を囲まれたファースト・ストリート・ノースは、小東京コミュニティーが管轄できる最後の三つの公有地の内の一つであり、最も重要な文化施設や伝統的なビジネス、史跡などが集まっている。LTSC所長のエリック・ナカノ氏は、「デ・リオン議員は、同地借地契約の延長動議を市議会に提出してくれた。ここに200戸以上の低中所得者向けの住宅に加え、コミュニティーに有益な用途を提供する商業施設が1階に建設される機会を、われわれは長い間待ち望んでいた」と喜びの声を上げた。同時に「ホームレス問題に取り組み、小東京の活力に満ちた未来のためにコミュニティーと協力していくという正当な公約を就任からまだ半年も経たないうちに実行した」と同議員の活動を賛辞した。
 この地域の開発は、収賄や汚職で連邦政府の捜査を受けたウイザー前議員の下で、これまで長い間宙に浮いていたという。ウイザー前議員は、テンプル街とアラメダ街の間にあるゴー・フォー・ブロークのモニュメントに隣接する区画の借地契約に貢献したものの、第14区のダウンタウン・プロジェクトの開発者から150万ドルの賄賂を受け取ったとして2020年6月に逮捕された。また恐喝など34件でも起訴された。この事件によって代表が不在となった14区で後任となったデ・リオン議員が、10月からコミュニティーの取り組みを開始したという経緯がある。小東京協議会(LTCC)のマネージング・ディレクターとして活動するクリスティン・フクシマさんは、「私たちはファースト・ストリート・ノースの権限に向けて長い間取り組んできたが、ようやくそのチャンスが訪れた。デ・リオン議員の支援と行動によって、長年の夢を実現することができる」と話している。
 かねてよりGFBNECは、第2次世界大戦で日系兵士が体現した美徳と勇気を通じて、人間性や公平性を育て導くことを使命としており、2018年からは地域開発と社会サービスを提供するLTSCと提携し、5階建ての教育センターと、退役軍人住宅を含む低中所得者向けの住宅の建設構想を進めてきた。「ファースト・ストリート・ノース地域の開発は長年の課題だったが、これが実現しようとしている。このプロジェクトによって、LTSCと小東京のコミュニティーは恩恵を受けることになるだろう」とゴー・フォー・ブローク代表CEOであるミッチ・マキ氏は語った。事実、低中所得者向けの手頃な価格の住宅は激減しており、小東京で家賃の過剰負担に苦しむ世帯は2010〜18年に49%から59%に増加している(18年のロサンゼルス郡平均は55%)。これはコロナ禍でさらに悪化した可能性が非常に高い。
 デ・リオン議員は、第14区選挙が始まった頃からファースト・ストリート・ノースのために提唱されている「Sustainable Little Tokyo(SLT)」プログラムを支持しており、2020年2月に行われた集会では、これを「小東京の開発と成長に関連する全ての事柄の指針だ」と話していた。今回の借地契約延長で、同議員は小東京コミュニティーの真のパートナーとして、市議会レベルで問題に取り組むことを約束してくれたと言える。
 デ・リオン議員のスポークスマンによると、LTSCはこの地域においてより大きなプロジェクトの開発を求めており、同議員は、LTSCが長年にわたって、小東京内に低中所得者向けの住宅を建設してきた経緯と、そのメリットも理解していると述べている。さらに、「今回の借地契約の延長により密度が高まり、複合施設の一部としてより多くの居室を提供することができる」と話した。
 SLTプログラムのコミュニティー・ビジョンは、ファースト・ストリート・ノースを含む「マングローブ」「メトロ・リージョナル・コネクター事業(メトロレール接続)」の三つの公共区画を対象としており、日米文化会館、LTCC、そしてLTSCの連携によって進められている。同プログラムでは、随時、活動内容や計画の構想を図っており、これまで開催した7回のバーチャル・ワークショップには、約150人のコミュニティー・メンバーが参加している。コロナ禍でこれらは一時的に停止しているものの、集会などができる状況になり次第、再開する予定だという。
 メトロ・リージョナル・コネクター事業の小東京/アートディストリクト駅の建設も進んでいる。当初この事業は開発を外部のデベロッパーに発注することが提案されていたが、コミュニティーの反対を受け、最終的にLTSCがデベロッパーとして再申請することになった。SLTプログラムは過去数年間、MyFSNキャンペーンを通じて、ファースト・ストリート・ノース地域の重要性に加え、コミュニティーの視点を無視して外部の開発者に建設を依頼することの危険性をより多くの人々に知らしめるために闘ってきた。同プログラムのディレクターであるスコット・オオシマさんは、コミュニティー・ビジョンを実現するために尽力したデ・リオン議員に感謝の意を表しながら「借地契約延長によって、歴史ある日本人街を次世代に引き継ぐために、手頃な価格の住宅や小売店、そしてコミュニティーや文化的なスペースを建設することができるだろう」と述べている。
 デ・リオン議員による動議は、市議会の情報・技術・ゼネラルサービス委員会の同意の下で承認された。さらに7人以上の小東京関係者が強い支持を表明したパブリック・コメントの期間を経て、23日に正式に市議会に承認された。
 同議員は「LTSCとGFBNECのこのプロジェクトに対する素晴らしい活動を心からたたえたい。両団体は共に低中所得者向けの住宅を建設してきた実績があり、今回の借地契約延長によってより多くの住宅を提供することができる。そしてこのプロジェクトで、これからファースト・ストリート・ノースは、歴史あるロサンゼルスのダウンタウンで活性化されるだろう」とコメントした。また同議員事務所も、「小東京のコミュニティーは、強い信念の下、コミュニティーに沿った支持活動を行ってきた。今後、新しいプロジェクトを進めるためには、特に公聴会への継続的な関与が最も効果的だろう」と述べている。
 今回の決議を受け、SLTプログラムのオオシマさんは、「今後も、われわれはファースト・ストリート・ノース全体、そしてリージョナル・コネクター事業、マングローブ開発に向けて、デ・レオン議員と協力していきたい」と抱負を語っている。
 小東京コミュニティー・フォーラム
 4月8日(木)午後6時半~8時
「Sustainable Little Tokyo」では、芸術・文化、コミュニティー、商業、緑地化など、地元に根差した活動を行っている。「Zoom」での参加はhttp://bit.ly/lt-forum 電話による参加は669・900・6833にかけ、ミーティングID86233668906♯を押す。
 【訳=砂岡泉】


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