五輪・パラ選手の気持ちになって

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 新型コロナウイルスの影響で、1年待たされた東京オリンピックが7月23日、パラリンピックは8月24日にそれぞれ開幕する。感染が収束していないため、機運は熟したとは言えず、国内外で開催中止の声が日に日に高まり、不安な選手がいるものと気になる。世論を理解した上で、選手の気持ちになって、大会を開いて成功させてもらいたい。私の願いは、盛り上がりの低さとは裏腹に、母国開催と相まって開幕が迫るにつれ、いっそう強くなってきた。
 開催の可否を巡って、IOCをはじめJOC、日本政府、東京都への批判が絶えることがない。前例のない事態だけに対応が困難なことを分かってもらいたい。役員の一言を揚げ足を取るように問題発言扱いするのは、よくない。大会関係者は、選手のひのき舞台を整えるために必死になっていることだろう。
 大会開催は感染拡大のリスク、医療従事者の負担増などが危惧され、容易なことではないが、選手がこのチャンスを逃すと次は3年後。選手生命は短く、ピークを過ぎてメダル獲得を目指す選手にとっての1年延期は、肉体・精神的にこたえたに違いない。
 プロ選手の五輪代表の中に辞退者が出てきているのが少し残念。それは、アマとプロで、目指す頂点に大きな違いがあるためだろう。アマは、もちろんオリンピック。一方のプロは、野球ならワールドシリーズ、ゴルフはメジャー大会、テニスなら4大大会、サッカーは当然ワールドカップなどである。大坂や錦織などプロ選手が五輪開催について意見を求められ、慎重に言葉を選びながら複雑な胸中を明かすのは、立場の違いはあれ、同じスポーツ選手としてのアマに配慮しているためだろう。
 シドニー五輪の女子マラソン金メダリストで五輪組織委員会アスリート委員長の高橋尚子さんの「選手は、最後の最後まで1パーセントでも可能性があれば諦めない」という言葉が印象的。大会の主役は、あくまで選手である。それを忘れてはならない。
 パラが閉幕する9月5日まで問題がないことを祈る。選手は最高のパフォーマンスを見せ、金、銀、銅の輝くメダルを見せびらかし、コロナに傷つけられた世界の人々を元気づけてもらいたい。【永田 潤】磁針

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