日系人を描いた声劇を発売:「フォー・アス・オール」と「ノー・ノー・ボーイ」

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2作品でグレッグ・ワタナベが主演

フレッド・コレマツ氏(中央)が最高裁の再審を発表した実際の記者会見の模様=1983年撮影

 「LAシアターワークス(LATW)」が日系米国人の体験をテーマにした2本の声劇作品を発売する。作品はジーン・サカタ作の「フォー・アス・オール(For Us All)」と、ジョン・オカダの小説をケン・ナラサキが脚色した「ノー・ノー・ボーイ(No-No Boy)」。いずれも州立図書館の「カリフォルニア・シビル・リバティーズ・パブリック・エデュケーション・プログラム」助成金を受けている。

ノー・ノー・ボーイとフォー・アス・オールの2作品で主演を務めるグレッグ・ワタナ

 制作にはグランドホテル(群集劇)方式が取られ、出演者の中には両作品に出演している俳優も多い。また劇作家も自ら、それぞれの作品に登場する。いずれも演出をアンナ・ライス・エリクソンが手掛け、グレッグ・ワタナベが主演している。
 「フォー・アス・オール」は、公民権運動のベテラン弁護士が、若い日系人弁護士らと協力し、法律の知識を駆使して、日系人抑留に抵抗したために不当な判決を受けた男性たちの有罪判決を覆すストーリー。政府が訴訟手続きを中止させようと画策する中、弁護士たちと、グレッグ・ワタナベ演じる被告のフレッド・コレマツは、正義を貫くことを主張する。出演はグレッグ・ワタナベほか、エドワード・アズナー、ブルック・イシバシ、テス・リナ、マイク・マクシェーン、デレック・ミオ、ジョイ・オスマンスキー、アンドレ・ソグリウッツォ、ジョシュ・スタンバーグ、ポール・イェン、そして本作の作家のジーン・サカタ。
 一方、世界初上演の「ノー・ノー・ボーイ」は、第二次世界大戦中に米国政府が12万人の日系人を強制収容した後の世界を舞台にした作品で、主演のグレッグ・ワタナベは、収容所からシアトルに戻ってきたものの、その後の生活になじめずにいるイチローを演じている。また、父親はサブ・シモノ、母親はシャロン・オミが演じ、ほかにミセス・カンノ(エミリー・クロダ)、タロウ(カート・カナザワ)と

フォー・アス・オールの劇作家ジーン・サカタ氏

いった配役。また、ジョイ・オスマンスキー、ポール・イェン、そして本作を脚色したケン・ナラサキが出演している。
 「フォー・アス・オール」「ノー・ノー・ボーイ」は5月1日に発売され、価格はそれぞれ20ドル。「フォー・アス・オール」を購入すると、ボーナス映像として、LATWで芸術監督を務めるスーザン・ローウェンバーグと劇作家のジーン・サカタが、実際に「コレマツ事件」を担当した弁護士のピーター・アイアンズ氏、デール・ミナミ氏、ドン・タマキ氏、ロリ・バンナイ氏と対談するZoom動画を視聴できる。
 世界の声劇業界をけん引するLATWは、毎年何百万人もの演劇ファンや教師、学生のために、自宅や学校で気軽に閲覧できる作品を発表し、優れた声劇を広く手頃な価格で提供している。LATWのラジオ・シアター・シリーズは、全米の公共ラジオ局で毎週放送されており、また中国でもラジオ北京ネットワークで毎日、放送中だ。これまでLATWが録音した作品は500作以上に及び、この分野では世界

ノー・ノー・ボーイを脚色したケン・ナラサキ氏

最大となっている。オーディオファイル誌は、「LAシアターワークスは優れたラジオ演劇の金字塔を打ち立てた」、またフィラデルフィア・インクワイアラー紙は「LAシアターワークスはアメリカが誇る演劇の宝」と評している。
 現在、「2020/21デジタルシーズン(全9作品)」を150ドルで購読すると、同団体の創立メンバーであるエドワード・アズナー、リチャード・ドレイファス、ヘクター・エリゾンド、ステイシー・キーチ、マーシャ・メイソン、ジョーベス・ウィリアムスらの特別対談ビデオなど、追加のボーナス映像が閲覧可能になる。
 詳細と作品の購入はLATWオフィシャルサイト—
 https://latw.org/digital-season【訳=砂岡泉】

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