Browsing: 河野 洋

磁針
0

 江戸時代に始まったとされる「火の用心」。火事を未然に防ぐために夜警団が拍子木をたたいて「マッチ一本火事の元」と街を歩いたのは一昔前のことだが、子供の頃から、火を扱う時は十分に気を付けるよう親からしつけられたし、マッチの火などは小さいからすぐに消せると言って甘く考えると、大やけどをすることがある。

磁針
0

 愛知県名古屋市に生まれ育った自分にとって、お袋の実家がある同県安城市は母方の親戚一同が在住していることもあり、幼少時の第二の故郷のようなところだった。考えてみると、子供の頃の体験こそが、現在の自分の骨格になっていることに気がつく。  安城市と言えば、日本三大七夕祭りの一つである安城七夕まつりが有名で、小学生の頃は毎夏、祖母と叔父家族が住む家に泊まりで遊びに行っては、にぎわう祭りを楽しんだ記憶がある。

磁針
0

 子供が夢中になる積み木は、積み重ねるためにあるのか、崩すためにあるのか。何を作るかは、我々の独創性にかかっている。その組み合わせは無限にあるはずなのに、反復するうちに固定観念が出来上がり、同じようなものばかり作ってしまう。  世の中にはどうしようもできないことが山ほどある。

磁針
0

 2020年は終わったが、コロナは続く。新年を迎え、米国は新大統領も就任する。心機一転、決意も新たに希望を持って前進したいところだが、パンデミックはまだしばらくまん延するだろう。感染予防、自宅待機を余儀なくされる状況だからこそ、今、われわれに必要なのは感動を与えてくれる芸術文化だろう。

磁針
0

 気がつけば師走。2020年はパンデミックにより、激動の一年であったものの、振り返ってみれば本当にこぢんまりとしたように感じる。行動範囲は極端に狭まり、人と対面する機会が圧倒的に少なかった。そうした意味では、人類が一番平等になった年なのかもしれない。

磁針
0

 最近、社会問題になりつつあるディープフェイク。AI(人工知能)の技術が発達することは喜ばしいことかもしれないが、悪用された場合、被害は大きい。アダルトビデオの女優の顔を人気女優などと差し替える犯罪は代表例だが、権力者や政治家の顔を使って、演説映像をでっち上げてネットに流したら、世の中はパニックになりかねない。

磁針
0

 10月6日、ロックギターの革命者エディ・ヴァン・ヘイレンが、がんで亡くなった。まだ65歳という若さだった。1980年頃、衝撃を受けた筆者は、彼のレコードに幾度となく針を落とし、耳を傾け、ギターを無我夢中で練習した。40年以上経過した今でも、その素晴らしさには圧倒される。美しい旋律は琴線に触れ、涙をさそう。

磁針
0

 十年一昔というが、10年を一くくりにして、人も社会も変化を遂げる。来年で世界同時多発テロから20年、東日本大震災から10年を数えるが、これらの歴史的事件がもたらした影響は計り知れない。今年の一大事件となった新型コロナウイルスは、今後10年以上に渡り、人の考え方や社会のシステムを変えていく。

磁針
0

 今年の8月は駆け足でやって来た。1週間が1日に、1日が1時間に感じる、と言っては大げさか。卒業式も入学式も置き去りにされた春が、今となっては遠い昔のことのよう。毎年、お盆が近づくと、原爆投下、終戦記念の文字が新聞紙面を飾る。それは永遠に消えない傷跡であり、平和な未来を作る礎となる。

磁針
0

 子供の頃、国語も作文も嫌いだった。なのに、今では定期的にエッセーを書いたり、仕事で執筆したりしている。「自分の人生は誰が決めるのか?」。人生のエッセーは、いつもこの回答のない永遠の疑問文で始まる。誰だってもちろん両親を選ぶことはできないし、生まれてくる国も、家族、親戚、隣人、小学校の同級生も全て用意されている。

磁針
0

 去る5月23日、日本ではネット上の誹謗(ひぼう)中傷が端緒となり、リアリティショーで活躍していた木村花氏が自殺という悲惨な事件が起きた。SNSは私生活をガラス張りにし、身元不明の閲覧者たちは断片的な情報で発信者を狙い撃ちする。称賛、激励ならありがたいが、うかつに失言すれば、言葉のミサイル弾が四方八方から撃ち込まれる。

磁針
0

 ブロンクスにあるHART ISLANDの存在を、つい先日ニュースで初めて知った。ここは1869年を機に、身寄りのない死者の埋葬が始められた島で、戦死者、ホームレス、AIDSや結核患者など、魂と分離した孤独の屍が百万以上も横たわっているという。  パンデミックが起こるまで、約百体という1週間の平均埋葬数が今ではその5倍に跳ね上がったらしい。

1 2