失いたくないもの
美容院にはもう半年以上行っていない。今までは定期的に毛先を整えたり、カラーやトリートメントをしてもらったりしていた。ネイルサロンやマッサージ、スーパー銭湯にも行かなくなった。服も化粧品も最近ほとんど買っていない。 当たり前だった事や物がなくても気にならなくなった。
美容院にはもう半年以上行っていない。今までは定期的に毛先を整えたり、カラーやトリートメントをしてもらったりしていた。ネイルサロンやマッサージ、スーパー銭湯にも行かなくなった。服も化粧品も最近ほとんど買っていない。 当たり前だった事や物がなくても気にならなくなった。
タイトルの句は、今から30年ほども前に、当時95歳だった一世の佐藤とくさんが詠んだものである。 夏になると時々この句を思い出して呟いてみる。 当時は私も40代、1週間を10日分ほどのスケジュールで、土曜も日曜も無く仕事をしていた頃で、毎月1回地元の日系紙に送られてくる俳句グループの作品の中にこの爽やかな句を見つけて、印象に残ったのだが、最近自分が髪を洗いながら「ひと握りあるやなしやの…」を思い出し、なるほどこの気持ちかと、95歳のとくさん心の中をのぞいた気がした。