Browsing: 萩野千鶴子

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 長いコロナのロックダウンが、ようやく段階的に解除になり、人々は恐る恐る外出するようになった。  久しぶりの車のハンドルは違和感があり、運動感覚も反射神経も鈍ってしまった。たった3カ月の自宅待機なのに、体力も気力も3年分衰えた。さびついた頭と体がギシギシ言っている。

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 コロナウイルス感染もようやくコントロール下に入り、ロックダウンを段階的に解除する動きが出始めた。レムデシビルというエボラ熱の治療薬がコロナにも効果があると発表された。治療薬が一つでも確認されたことは喜ばしい。しかし、ワクチンが開発されるまでは、根本的な解決にはならず、ソーシャルディスタンスを守り、予防に務めねばならない。気の緩みは禁物だ。

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 コロナウィルス感染予防のため、加州では外出禁止令が出て、3週間が過ぎた。中国の武漢で発生した新型ウィルスは、たちまちの内に拡散し、世界を混乱と恐怖に陥れている。  滞米以来40年、今回のような長期の外出禁止令が出たのは初めてである。人口密度の高いニューヨークの感染者数は爆発的に増え、毎日うなぎ上りの死亡者数を見るのが恐ろしい。

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 3年前にスマートホームの売買に関わった時は、驚きの連続だった。居間と主寝室の壁に設置された小さなパネルで豪邸のドアの鍵、室内外の電気、噴水、全てがコントロールできる。それとスマートフォンが連結し、実際には手元のスマホですべてを操作する。  2階の寝室で寝た時に、ふと、玄関の鍵をかけたかと不安になる時がある。

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 仕事柄、高齢になった日本人一世在米者に会うことが多い。雑談の中で必ず出てくる話題がある。「全く違った世の中になってきた、もう別世界だね」という話の内容だ。  日常の電気、水道、ガスの支払いなど、単純なことだが、方法を変えようと思えば電話で人間と話すことは、ほぼ無理だ。

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 毎年、クリスマス時は、久しぶりに集まる家族や、ご無沙汰していた友人、知人へのあいさつで、一年を振り返る。滞米約40年、過ぎた日々に思いを重ねることも多い。渡米して結婚し、就職し、子供が生まれ、成長して巣立った。そしてある日、もう若くない自分の姿を鏡の中に見る。

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 読書の秋、と書いて、はたと手が止まった。そして、たまらなく、寂しくなった。本屋が街から消えてしまったのだから。以前は車で行ける範囲に日本書店が2軒あり、目当ての本がなければ、そこで、注文できた。本が届くのを待つ時間も楽しかった。  休日の暇つぶしはたいてい本屋で、それがまた、こよなく充実したリフレッシュの時間でもあった。

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 吉野彰氏に2019年のノーベル科学賞が授与される。テレビに映る吉野氏は一見、どこにでも居そうな好々爺だが、一旦口を開くと、別人である。研究に関するどんな質問にも懇切丁寧に、しかも、わかりやすく回答され、科学には無縁の私にも、なんとか理解できた。門外漢に難しい内容を易しく説明するのは、力がいる。

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 私事で恐縮だが、9月1日、70歳の誕生日を迎えた。69歳から一つ年をとっただけなのに、何かが劇的に変わり、それ以後は嬉しさで一杯の日々を過ごしている。これまでも年を重ねることは、寂しさより満足感のほうが大きかったが、心に溢れる充足感は今回が初めてである。

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 秋桜と書くコスモスは、日本では秋の季語として使われるが、加州の我が家の前庭には、真夏日が続く今を盛と咲いている。前庭は早朝に朝日を受け、植物が良く育つ。水をやるだけだが、勢いよく何重にも群生している。赤、白、濃淡のピンクと、色とりどりの花々がそよぐ姿は格別に美しい。

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 今、私は夢の中である。というのは、現実のすべての風景が、すがすがしく輝いて見えるからである。事務机の向こうに広がる裏庭は、白、紫、黄色、オレンジ、ピンク、赤の花々の色が飛び交い満ちて、光輝いている。木々の葉の先は銀色や黄緑の光がキラキラ無数に踊っている。なんて美しい庭だ。

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 読書やセミナーから得た共通の情報では、高齢者の課題は、病気と孤独だそうだ。私自身も、目と歯がダメになり、なんとなく鬱(うつ)になる孤独感を体験し始めた。明るく元気で、一生前進すると計画していたのに、驚きの展開に面食らっている。  長年の使用で、くたびれ始めた体は、各々の個体特有の弱い箇所に、病気が発症する。

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